ダイエットのためにジョギングを始めて
いざコースに出てみると
他のランナーたちにガンガン抜かれる…。
スピード競争をしているわけじゃないけど
自分が走る速度は遅すぎるかもしれない。
すると、こんな疑問が浮かんできます。
「あんまり遅く走ると痩せない?」
「ジョギングのスピードって
消費カロリーに関係あるのかな?」
そこで、ここではジョギングにおける
スピードとカロリーの相関関係について
その事実を検証していきましょう。
●ジョギングのスピードとカロリーには関係がある?
ジョギングを始めたばかりの初心者は
速く走りたくてもスピードは出ません。
せいぜい「歩くのより少し速いくらい」が
関の山ではないでしょうか。
そのように、もしジョギングを
ゆっくりのスピードで走った場合と
速いスピードで走った場合を比較すると
速く走るほど消費カロリーは多くなる!
というのが本当のところなんです……。
ただし「同じ距離」を
・ゆっくり走った場合
・速く走った場合
この両者を比較すると
消費カロリーの差は(ほぼ)ありません!
「ん?」と頭にハテナマークが浮かぶほど
簡単には理解できないことなので
これからくわしい説明をしていきます。
●速く走ると消費カロリー量が増える理由
なぜ速く走るほど消費カロリーが増えるか
その根拠はこんなところにあります。
ジョギングに限らず、あらゆる運動による
「消費カロリー量」というのは
一般的に以下の計算式で求めるんですね。
■消費カロリー量を求める計算式
METS×今の体重×運動した時間×1.05
この計算式で使われるMETS(メッツ)は
「その運動がどれくらいキツくて
体にどれだけの負荷をかけるか?」を
数値として表したものです。
日本語ではこれを「運動強度」と呼び
安静時(1METS)を基準にします。
ジョギングはこのMETSにおいて
「走るスピード」によって
強度が細かく分類されています。
・時速6.4km=6.0METS
・時速8km=8.3METS
・時速10.8km=10.5METS
たとえば体重60kgの人が
以下のMETS(スピード)で
・6.0METS(時速6.4km)
・10.5METS(時速10.8km)
もし1時間走った場合の
消費カロリー量を計算すると
・6.0METS=378kcal
・10.5METS=661.5kcal
このような結果に。
つまりMETSが高い=スピードが速いと
「消費カロリー量が増える」というのが
ここから分かるわけですね!
同じ体重の人が同じ時間を走っても
「走るスピード」によって消費カロリーに
これだけの差が出るわけなんですよ!
●同じ距離なら「スピードは関係ない」という驚きの事実
「一回に最低3kmは走る!」みたいに
決めた距離を走ることをノルマにして
ジョギングを続ける人も多いはず。
そういった走り方をしている方は
同じ距離をのんびりスローで走っても
がんばって速いペースで走っても
消費カロリー量には
「大きな差」は生まれない!
厳密に言えば
遅く走った方が消費カロリーが多くなる!
と聞いたら意外に思うでしょうか?
では、その決定的な証拠を
同じ距離でスピードがどう影響するか
両者を比較して確認してみましょう。
たとえば、体重60kgの人が
「5km」を走るケースを例にすると
■遅いスピードで走る場合
5kmをMETS8.3(時速8km)で走ると
所要時間は「37分30秒」。
この時間を元に消費カロリーを計算すると
8.3(METS)×60(kg)×0.625(h)×1.05=327kcal
■速いスピードで走る場合
5kmを10.5METS(時速10.8km)で
走ると所要時間は「27分46秒」。
この時間を元に消費カロリーを計算すると
10.5(METS)×60(kg)×0.458(h)×1.05=302kcal
※計算結果はすべて四捨五入しています
■両者の比較
遅いスピード・・・327kcal
速いスピード・・・302kcal
このように同じ距離で比べた場合
若干ですが遅く走ったほうが
消費カロリーが多くなるという結果に。
この消費カロリーの差は
より遅く走った場合(時速6.4km)ですと
293kcalに落ちてしまい
より速く走った場合(時速20.9km)でも
295kcalに落ちてしまいます。
●スピードより「所要時間」がカギ
つまるところ
もし5kmをジョギングするなら
時速8kmがスピードと距離のバランスが
最も釣り合っていて効率が良いわけです。
ただ、それも極端な差ではなく
結論としては「同じ距離」ならば
ゆっくり走ろうが速く走ろうが
「消費カロリーにほとんど差はない!」
ということです。
どうしてこのような結果になるかというと
速いスピードで走ってしまうと
「所要時間」が短くなってしまうから。
■ゆっくり走った場合
運動強度が落ちるので
消費カロリーは減るけれど
ゆっくり走るため「所要時間が伸び」
その分だけ消費カロリーは増える
■速く走った場合
運動強度が高くなるので
消費カロリーは増えるけれど
速く走り終えるので「所要時間が減り」
その分だけ消費カロリーは減る
こんな相関関係があるために
同じ距離を走るならスピードの
「速い・遅い」を気にする必要はない!
と言えるのです。
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まとめ
ジョギングするにはスピードは
速いほうがいいのか、遅くてもいいのか
消費カロリー量を比べながら
どちらが理想的か見てきました。
ここまでを振り返ってまとめると
・速く走ったほうが消費カロリーは多い
・同じ距離ならスピードによる差は無い
速く走るのに越したことはありませんが
それが同じ距離を走る場合でしたら
消費カロリー量の差はほぼありません。
ジョギングをするなら
スピードや走る距離よりも
「走る時間が重要!」が僕の持論でした。
今回の調査で
その正当性が証明されたようです。
スピードを出して短い時間走るより
スピードを落として長い時間走る
これが結局のところ
初心者にとっては易しい走り方ですし
消費カロリー量も遜色ありません。
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