ジョギングを始めたけれど
ぜんぜん速く走れない……。
これだったら歩いているのと
消費カロリーは大して違わないのでは?
特にウォーキングからジョギングに
ステップアップしたばかりの人は
そんな風に感じても
まったくおかしくないと思います。
太っていたり運動が苦手な人だと
自分でも情けなくなるくらい
超スロースピードでしか走れませんから。
そこで気になるのが
走るスピードによって
「消費カロリーに違いはあるのか?
もし差があるとしたらどれくらいか?」
という一点だと思います。
その疑問をここでビシっと回答しますね。
ゆっくりでしか走れない人は必読ですよ。
ジョギングするスピードでダイエット効果に差はでる?
たまに、いかにもランナー風な格好をしているけれど
あの人は歩いているの?それとも走っているの?
と首をひねりたくなるほど
ゆっくりゆっくり道を進んでいく人を見かけます。
もちろん、そんな人をバカにはしません。
ああ、僕もジョギングを始めた頃は
あんな感じだったのかな…と懐かしく思うだけで。
ただ、気の毒なことに
いくらジョギングはゆっくり走る運動といっても
遅いスピードとそれよりも速いスピードで
走った場合を比較すると
速く走るほど「運動強度」が高くなるため
消費カロリーは高くなります。
うん、これは常識的に考えて当たり前。
そりゃ、そうですよね。
自動車だってスピードを出すほど
それだけガソリンを食うんですから
人間だって同じことです。
「運動強度」ってなんのこと?
そもそも「運動強度」とはなんぞや?
という疑問が生まれましたね。
そこから解説していきましょう。
運動強度とは
安静状態を1.0という基準値にした場合
その運動が「何倍の強さ」になるか
を表したものです。
この運動強度は
「Metabolic Equivalent(代謝等価物)」
を縮めた略称である「METs」という
単位で表されます。
【主な運動のMETs】<※表組みにする>
安静状態(横になりテレビや音楽鑑賞):1.0
散歩:3.5
ゴルフ:4.8
ジョギング(時速8km):8.3
テニス:7.3
サッカー(試合):10.0
ランニング(時速10.8km):10.5
つまり、ごろんと横になった状態(安静時)と
各種運動を行っている時の差を数値で比べることで
その運動がどれくらい身体にとって
強く作用するかを表しているんですね。
当然ですが、METsの数値が高い運動ほど
消費カロリーは高くなりますよ。
<見出し>走るスピードで消費カロリーはどれくらい違う?
では具体的に、走るスピードによって
どれくらい消費カロリーに違いが出るのか
METsを利用した計算式で比較してみましょう。
■METsを使った消費カロリー計算式
1.05×METs×走る時間×体重(kg)=消費カロリー(kcal)
たとえば、体重50kgの人が
METsが8.3(時速8km)のジョギングを
30分間おこなった場合は
1.05×8.3(METs)×0.5(時間)×55(体重)=239.6625
という計算式から約240kcalを消費すると分かるわけですね。
なお、METsを使った計算は
こちらの計算フォームを使えば
簡単に求めることができますよ。
<※計算フォームを組み込む>
一方、
時速10.8kmのジョギング(正確にはランニング)
ではどれくらいの消費カロリーになるか
走る時間や体重が同じ条件の場合で比較してみます。
1.05×10.5(METs)×0.5(時間)×55(体重)=303.1875
だいたい303kcalを消費すると分かりました。
両者の消費カロリー量を比較すると
・時速8kmのジョギング=240kcal
・時速10.8kmのランニング=303kcal
このように差は歴然としてありますね。
僕が速く走るのお勧めしない理由
ここまでの流れで
速く走ればそれだけ消費カロリーが高くなる
という事実がお分かりいただけたと思います。
これを知るとやっぱり誰でも
ダイエットするには速く走らなきゃ!と思い
無理してスピードを上げたくなるはずですよね?
しかし、ジョギング初心者には
たとえ時速8kmでも走り続けるのは
かなり困難なことだと思います。
METsで定義されている
ジョギングの速度「時速8km」というのは
1時間走って8km
30分走って4km
15分走って2km
と、だいたい1kmを7分30秒で走るスピードです。
「早足以上、駆け足未満」
と思えばイメージに近いでしょう。
これを数字としてみると
「ずいぶん、ゆっくりだな」と思いますが
まだジョギングを始めたばかりの初心者には
けっこうキツイと感じるスピードだと思いますよ。
たまに路上で見かけるという
「走っているか、歩いているのか」
よく分からない人のスピードは
1kmを10分くらいで進んでいると思うので
あきらかに時速8kmよりは遅いスピードです。
昨日がんばって速く走って300kcalを消費した
だけど、それに疲れて今日は休んだ
そして次の日も休んだ、その次の日も……
となってしまったら、意味ないじゃないですか?
ダイエットを目的にジョギングするには
一回や二回、速く走ったくらいの短期間で
急に痩せられるものではありません。
コツコツとした日々の積み重ねが大事なので
一回の消費カロリーを見て比較するのは
まったくのナンセンスと言えるでしょう。
先ほどの例で言えば
時速8kmと時速10kmの消費カロリーの差は
約60kcalであり、これはたった
「オレンジ1個分のカロリー」です。
ですから僕としては
無理してスピードを上げて走るより
ゆっくりでもいいので
長く継続して走り続けること
をお勧めします。
速く走ろうがゆっくり走ろうが
一回あたりのジョギングで消費できるカロリーは
ほんのわずかな量でしかありません。
ですから、相当に長いスパンで取り組む必要があります。
痩せるために必要な期間については
別記事にくわしくまとめていますのでご覧ください。。
<※ジョギングの消費カロリーにリンク>
まとめ
ここまで、なんだかんだと
計算が多くなってしまい、疲れましたね。
ただ、判明した事実は
とてもシンプル、単純明快。
・消費カロリーの差はMETsの計算式で確かめられる
・速くジョギングするほうがダイエットには効果的
・同じ条件なら時速8kmと10kmの差はたった約60kcal
残念ながら、ゆっくり走るより
ジョギングはなるべく速く走ったほうが
ダイエットには良いんですよ。
でも、先ほども書いたように
初心者には短い距離を速く走ることはできても
長い距離を「走り続ける」ことは不可能です。
ですから、ほどほどのスピードで走ることが
ダイエットへの近道になることは間違いありません。
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