体育の授業でマラソンや100m走をやると
クラスにひとりは必ずいましたよね?
「変な走り方」をしている生徒が。
みんなに笑われて気の毒でしたけど
なぜ変な走り方に見えたかというと
「腕振り」が変だったせいですね……。
そういう子って例外なく運動音痴で
足が遅かったという記憶があります。
ジョギングをしている今なら分かりますが
この腕振りってかなり重要なんですよ!
そこでここではジョギングにおいて
間違ったやり方をしている人が多い
「腕振り」の正しいやり方について
くわしく解説していきましょう。
●ジョギングの腕振りの正しい動作
ジョギングするときは
「腕を大きく振りましょう!」と
昔から耳がタコになるくらい
しつこく聞かされてきたと思います。
しかし、これは正確には間違い!!!
カッコよく走るためには
一旦これまでの常識を削除して
正しい腕振りをマスターしましょう。
■ジョギングの正しい腕の振り方
1.胸を張った姿勢で立つ
2.両腕を脇を閉じて下ろす
3.両腕を90度の角度に曲げる
4.肘を後ろにまっすぐ引く
5.腕を前方に戻す(以下、反復)
腕を振るときは肩にチカラを入れないで
リラックスすることを心がけつつ
右腕、左腕とリズミカルに振り出します。
こうして順番ごとにチェックすると
いろいろとややこしいようですが
楽に走るポイントはたったひとつ。
それは、肘を「後ろ」に引くこと!
腕は前方に振り出す必要はありません。
もちろん、腕を振ると反動で
多少は前方に腕が振り出されるのは
仕方がないので気にする必要はなし。
この「肘を後ろに引く動作」ですが
最初は少し違和感があるものの
数日も走っていれば慣れますよ。
「それだけじゃイマイチ分からない……」
という方のために
さらにここから深く掘り下げて
腕振り方法を解説していきましょう。
●「肩甲骨」を動かすイメージで!
一度ためしに腕は両脇に垂らしたまま
一切動かさないで走ってみてください。
どうでしょうか?
足がスムーズに前に出ていかなくて
とても走りにくいですよね?
つまり腕振りの目的というのは
「足を前に踏み出すため」にあるのだと
そう解釈して間違いではありません。
人間の体の上半身と下半身は
構造的に「連動」するため
腕を動かせば足も動く仕組み。
その上半身の駆動のカギを握るのが
「肩甲骨」にあったんです!
■腕振りから始まる連動性
効果的な腕振りによって
肩甲骨を動かすと、連動して骨盤も動く
↓
両足を踏み出す動作へとつながり
前方への推進力が生まれる
↓
スムーズに楽に走れるフォームへ
一見、走ることには
まったく関係ないように見える肩甲骨が
裏でカギを握っていたとは意外ですね!
ですから腕をリズミカルに後ろに振って
左右の肩甲骨を大きく動かすことが
ジョギングの腕振りで重要なんですよ。
●腕振りの3つのダメな例
正しい腕振りフォームが分かったところで
ありがちなダメな腕振りをしていないか
チェックしてみてください。
■よくあるダメな3つの腕振り動作
・体の内側に向けて振っている
・脇を開けて振っている
・体の前方に大きく振っている
自分の腕振りのフォームを鏡に映すか
誰かにスマホで動画を録ってもらって
確認してみましょう。
【体の内側に向けて振っていないか?】
体の内側というのは要するに
上から見ると腕を「ハの字」型にして
前後に振っている状態のこと。
腕はまっすぐ後ろに引いて
そのまままっすぐ戻すことを繰り返すのが
正しいフォームです。
【脇を開けて振っていないか?】
小学校低学年までの子供に多いのが
この腕の振り方ですね。
両脇を開けて腕を振ると
上半身が左右にブレてしまうだけで
肩甲骨はほとんど動きません。
非常に無駄な動きをするフォームなので
消耗度が高く長く走ることは不可能です。
【体の前方に大きく振っていないか?】
腕振りの目的はここまで述べてきたように
肩甲骨を動かすためにあります。
試しに腕を体の前方だけに降り出しても
面白いほどに肩甲骨は動きません……。
ですから、腕は後方に大きく振って
前方には小さく振るだけでOKです。
腕を振り出す割合的には
・後方に80%
・前方に20%
くらいが適当だと思います。
●辛いときこそ腕振りに集中しよう
ジョギングを10kmや20kmも続けると
「辛いなぁ、足がダルいなぁ……」
と疲労がどっと襲ってきます。
人間という生き物は疲れてくると
些細な動作がおろそかになるもの……。
スタートしてからしばらくは
マジメにやっていたであろう腕振りも
弱くコンパクトになっているハズ。
そんなときこそ
「腕振り」に集中してみてください。
意識をして腕を大きく振ってみると
自然と足の運びも釣られて大きくなり
落ちていたペースも復活しますよ。
ジョギングは長く走り続けると
足はダルく重くなるものですが
不思議と上半身(特に腕)は
まだまた元気な状態で
腕を振るのはまったく苦になりません。
疲れた足を「アシスト」するつもりで
がんばって腕振りをしましょう!
腕は何千回とブンブン振ったところで
大して疲れませんので。
まとめ
ジョギングの腕振りは
想像するより難しい点はなくて
すぐに覚えられるものですよ。
大切なポイントをあらためて
まとめておきましょう。
・腕を後ろに振り出すのがコツ
・肩甲骨を動かすイメージを持つ
・足が疲れたら腕振りを意識する
僕が腕振りのコツをつかんだのは
オリンピックのマラソン金メダリストの
高橋尚子さんのアドバイスでした。
なにかのテレビ番組で
初心者向けに走り方を教えるシーンがあり
そのなかで簡潔に腕振りを
腕を後ろに振ることを意識する
と解説されていて
それだけをイメージして
これまで走ってきました。
腕振りを改善するだけで
ランナーとして走る姿が「様になる」ので
ぜひ今日からトライしてみてください!
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